住宅ローンを延滞するとどうなる?延滞回数別の対処法を紹介

住宅ローンは一般的に借入の金額が大きくなりますので、長期にわたり返済を行わなければなりません。現在では35年程度でローンを組むことが当たり前の時代になり、金融機関によっては40年ローンも可能となっています。

長期返済が可能になったことにより、年収が低くても住宅ローンを組むことができるようになりましたが、その反面、病気や転職、減給や予期せぬ退職などによって、当初の返済計画が大きく崩れてしまうことも増えてきました。

万が一、住宅ローンの返済が延滞、長期にわたる滞納をしてしまった場合、どのような問題が生じるのでしょうか。滞納の長さに応じて対策方法も変わってきますので、一つひとつ確認していきましょう。

そこで今回は、皆さんの疑問を解決するため

・住宅ローンを延滞するとどうなる?
・延滞を解決するためには?
・給与差し押さえや家族へ連絡がいくことはある?

以上の内容を中心に紹介していきます。

この記事を読めば「住宅ローンを延滞するとどうなる?延滞回数別の対処法を紹介」について分かると思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい

住宅ローンを延滞すると住宅を競売(オークション)にかけられる

住宅ローンを延滞すると、最終的にローンを組んで建てた自宅を没収され、強制的にオークションにかけられます。

オークションの事を競売と呼び、競売によって落札されたその落札金額によって住宅ローンを強制的に返済させられます。

競売に至るまでの流れを確認していきましょう。

競売までの流れ

延滞、滞納をしてしまった場合、約3ヵ月~6ヵ月程度で競売へ移行されます。1回2回ならそこまで大きな問題にならないと考えている方がいるかもしれませんが、思っているよりもすぐに競売手続きに入ってしまうので注意が必要です。

もし今既に延滞しているのであれば、手遅れになる前に、今すぐ対応する必要があります。

住宅ローン滞納1ヶ月~2ヶ月

住宅ローン1ヵ月~2ヵ月の延滞では、銀行から電話や請求書などによって支払いの催促が行われます。

銀行口座にたまたまお金が入っていなかったという可能性もあり得るので、1回目の延滞では銀行からの電話によって、入金をしておいて下さいと連絡さて終わる場合がほとんどです。

支払い催促が電話にて行われない場合は、請求書によって連絡されます。請求書は一般的に二つ折で個人情報が隠れたハガキによって行われ、ハガキを開くと延滞期間及び支払いすべき金額が記載されています。ハガキに従って期限までに入金または振り込みを行ってください。

なお、1回延滞を何度も行い、催促されてから入金を行う顧客については、競売までいかないものの、管理顧客として登録されるため、今後銀行のローンを通す時にマイナス材料となりますので注意が必要です。

住宅ローン滞納2ヶ月~3ヶ月

住宅ローンの滞納が2ヵ月~3ヵ月を経過すると、電話連絡や請求書に代わって催告書が送付され支払いの催促が行われます。

催告書は請求書と違い封筒で送られてくることが多いです。

請求書の場合は、いつまでに入金をしてくださいという連絡のみですが、催告書になると入金をしなければ期限の利益が喪失する旨保証人や保証会社へ代位弁済請求を行う旨、最終的に競売へ移行するという旨が記載されており、書類の重要度が大きく異なってきます。

催告書は、これ以上支払いを滞らせると、もう次の手段へ移行しますよという最終通告であり、この催告を無視するということは家を失うということと同意だと認識しておく必要があります。

なお、催告書に代わって競売の予告通知が送られてくる場合があります。内容としては「このまま滞納が続くと住宅を競売にかけますよ」という旨の通知です。

ただし、この内容はあくまで予告であり、「直ちに必ず競売をしますよ」という通知ではありません。法的な拘束力はないので、今すぐ延滞を解消すれば競売を免れることが可能な状態です。

住宅ローン滞納3ヶ月~6ヶ月

住宅ローンの滞納が3ヵ月を超えると、期限の利益が喪失し、代位弁済請求の通知が行われます。

期限の利益喪失

期限の利益とは、簡単に言うと融資を受ける際に支払いを分割払いにしてもらうことを指しています。

普通なら借入時に一括で返済を求められるところ、長期的に支払いが猶予がされている状態です。支払い期限を猶予されている状態のため、これを「期限の利益(債務者にとって期限的に利益がある)」といいます。

期限の利益喪失とは、この期限の利益を失うことであり、言い換えると支払いの猶予が失われ、一括での返済を求められることと同意です。期限の利益が失われた段階で住宅ローンの残り全額を返済する義務が生じ、債務者はそれに応じなければなりません。

しかし、1回分でさえ延滞しているような債務者に一括返済を求めたところでほとんどの人が全額返済はできません。そのため住宅は一般的に競売にかけられます。

また、競売のみならず住宅ローン契約時に行った保証人契約によって、これらの返済が行われます。これを代位弁済と言います。

代位弁済通知(債務者・連帯保証人・保証会社)

期限の利益を喪失した段階で、保証人や保証会社に代位弁済通知が行われます。

基本的には保証会社による一括弁済が行われ、債権が金融機関から保証会社へ移るので、債務者は今後保証会社へ債務の返済を行っていくことになります。

この代位弁済通知は連帯保証人にも通知されるため、保証会社への支払いは連帯保証人にもその義務が生じます。そのため、今後は債務者と連帯保証人両方が住宅ローンの債務を背負うことになります。

連帯保証人は、債務者と同一の債務を背負うこととなりますので、保証会社は連帯保証人に支払い請求を行うことが可能です。

なお、代位弁済通知は債務者にも連絡がされます。

競売手続き通知

保証会社や保証人に代位弁済請求が行われると同時に、競売の手続きが行われます。

競売とは住宅をオークションにかける手続きの事であり、その落札金額が全額住宅ローンの借入金返済に充てられます。この競売によって保証会社へ支払い債務が減りますが、一般的に競売は時価より安く買いたたかれるため、競売によって債務が全額なくなるとは考えにくいです。(競売で売却しても半分程度はローンが残る可能性が高いです。)

債務が残った場合はもちろん、住宅ローンを払い続ける義務が生じます。持っていない住宅のローンを支払い続けるということは、賃貸で借りた住宅の賃料と残債を同時に支払う必要があり、結局生活が苦しいままになってしまいます。住宅の競売は債務者にとっては決して救いの手段ではないということを認識しておく必要があります。

延滞損害金は増え続ける

このような銀行からの催促、競売通知が行われている中にも、ローンの延滞利息は加算されていきます。つまり、競売や代位弁済などいずれの方法を取って返済したとしても、現在の借入金よりも多めに返す必要があるため注意が必要です。

住宅ローンの延滞利息は年利15%程度であることが多く、残高が多ければ多い分、延滞利息も膨らんでいき、競売による返済をしてもローンが全然減らないこともあり得ます。

住宅ローン滞納6ヶ月~12ヶ月

受託ローン滞納が6ヵ月以上になると、実際に競売が決定され、物件の競売が行われます。この際に担保不動産競売開始決定通知が送られた後、債務者は住宅に関する一切の権利が失われ、物件の強制差し押さえが行われます。

通知が行われてからしばらくすると、裁判所管理の下住宅の調査が行われ、調査が完了すると住宅は売却されます。

住宅ローン滞納12ヶ月以降

住宅ローン滞納してから12ヵ月を経過すると競売が終了します。競売の相場は、通常売買の50%~70%の価値で設定されるため、債務が全部なくなることはほとんどありません。競売が終わった後も、失った家のローンを払い続ける必要があるのです。

個人信用情報に5年から10年間延滞情報として登録される

延滞した過去や競売にかけられたこと、代位弁済が行われたことなどは、個人の信用情報に傷をつけます。つまりブラックリストとして登録されます。

住宅競売が行われた場合、個人信用情報には「10年を超えない範囲」でその事実が登録されます。一般的には最低5年、最長10年間はローンが組めません。ローンのみならずクレジットカードの発行も難しくなります。

また、最近は物件の賃貸をする場合も保証会社をつけることが多く、競売によって家を失った挙句、賃貸したい住宅が借りられないなんてこともあり得ます。

どうしても返せない場合の対処法

どうしても借入金が返せない場合でも競売以外に解決する方法がいくつか存在します。

競売以外に延滞を解決するための方法には

・任意売却
・返済の猶予
・リスケジュール

などの方法が考えられます。

人それぞれで適する方法が違いますので、一番自分に合った方法を選択することが大切です。ポイントを一緒に説明しますので参考にしてみて下さい。

任意売却

このような事態を回避するためには、延滞をいち早く解消する必要があります。しかしながら、病気や転職、収入の低下などで支払いがどうしてもできないという場合もあるでしょう。そのような場合は、任意売却を検討してみて下さい。

任意売却とは、任意に自分の住宅を売却することを指しています。その売却金額で住宅ローンを支払ってしまうのが、任意売却の大まかな流れです。

競売の場合は、裁判所が間に入って手続きを行うため買い手を探す手間もありませんが、任意売却は自分で買い手を探す必要があります。しかしながら、購入金額は残債の80%~90%に設定でき、住宅ローン債務の大幅な減額が見込まれます。

任意売却は、銀行や保証会社、債権者などの同意を得られれば、競売開始決定から実際に競売される半年程度の間でも行うことができます。ただし、実際はそんな簡単に売れませんので、競売開始決定よりも早く任意売却を行っておくことを強くおすすめします。

任意売却が上手くいけば、個人信用情報も傷つきません(延滞をしている場合は別)し、競売の手続きや代位弁済請求なども行われなくて済みます。どうしてもローンが返せないのであれば、手遅れになる前に自分から住宅を手放すのも必要だということです。

・住宅ローンの支払いを辞めたい方
・住宅の価値が残っている、または土地の価値が高騰している方
・次に住む家のあてがある方

条件変更・返済の猶予

金融機関に返済の猶予を打診します。一定期間返済を猶予することで資金繰りの安定化を図るものです。

個人の病気やケガによる出費や、収入の減少などによって経済的に返済が困難な場合は金融機関も返済の猶予に応じる場合が多いです。

なお、返済の猶予は一時的なものである場合も多く、ケガが治ったり、収入が戻った場合などは元の契約に戻るのが一般的です。もし、今後転職などで収入が上がる見込みのない場合は、返済期限の延長を申し入れましょう。

・一定期間支払いが出来ない方
・住宅を手放したくない方
・また収入が戻る、もしくは増える可能性がある方

条件変更・リスケジュール

返済期限を延長することによって、毎月の返済を減らすことが可能です。リスケジュールとも呼ばれており、資金繰りの安定化が見込まれます。

例えば、1,000万円を100回払いで返すと、一回10万円の返済が必要ですが、これを200回払いに伸ばすと、月5万円の返済で済みます。

しかし、リスケジュールは利息の軽減とは関係ありませんので、返済期限が伸びれば伸びる程最終的な支払い総額が増えるということを理解しておく必要があります。

・転職などによって収入が下がった方
・家を手放したくない方

給料が差し押さえられることはあるか?

保証会社の債権回収の方法によっては給料の差し押さえが行われる可能性はあります。

給料の差し押さえが行われば、会社に借金や競売の事実がバレてしまいます。特に会社で借金がばれると、社会的な信用を失いかねません。

給料の差し押さえは、給料を何か別のものに使っている場合などに行われるので、普通に返済を行っていれば差し押さえが行われることはありません。もし、そもそも収入がすくなくて返せないという場合は、一度金融機関に相談されることをおすすめします。

職場や家族への連絡は?

給料の差し押さえがない限り、競売が行われた事実や個人信用情報などが会社にばれる心配はありません。

家族への連絡も、保証人でない限り全く関係ありませんので、連絡が行くことはありません。

しかしながら 保証人は、代位して支払いを行っていく義務がありますので、債務者の延滞によって連絡が行われます。

まとめ

「住宅ローンを延滞するとどうなる?延滞回数別の対処法を紹介」について解説しました

今回のポイントは

・住宅ローンは延滞期間によって対応が変わる
・期限の利益が喪失した場合、連帯保証人による代位弁済が行われる。
・返せなくなる前に相談。任意売却や返済期限の延長を申出する。

住宅ローンを滞納すると、家を手放さなければいけなくなったり、ブラックリストに登録されてしまうのみならず、家族や会社にばれる可能性も高いです。

また長期になればなるほど債務者の負担が増え、最終的に手の打ちようが無くなってしまいます。

しかし、住宅ローンは延滞する前にきちんと対策すれば、競売にかけられる可能性を大幅に減らすことも可能です。

現在延滞している、もしくは支払いがきついという方は、一度金融期間に相談するなど、早めに手を打っておくことをおすすめします。

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